レーザー治療は、正式には血管内レーザー焼灼術と言います。血管を引き抜かず(ストリッピング手術と言います)、血管の中に細いレーザーファイバーを通して、レーザーの熱によって静脈を焼いて塞いでしまう方法です。従来のストリッピング手術は足の付け根と膝の内側の2か所を切開していたのですが、レーザー治療は膝の内側に細い針を刺すだけで治療することが可能です。また、血管を引き抜かないので、周囲の組織に傷害を与えることが少なく、そのため治療後の痛みや出血が少なくなります。
レーザー治療は2010年11月10日にレーザー治療が保険収載されることが決まり、2011年1月1日より保険診療が可能になりました。これまでの自由診療では初診料、超音波検査、術前検査や術後検査がすべて自己負担でしたが、今後は全て保険診療で行うことができるようになりました。
もともと当院は「インビジクリップ」を使って鼠径部に約1cm切開して静脈抜去術を行っていましたが、平成23年に保険適応になってからはレーザー治療を主に行っています。
フォームドスクレロセラピー(泡状硬化療法)という最新の硬化療法も行っています。
当院では、いずれの治療も日帰りで治療をけられます。
西部正泰理事長は、いち早くクリティカルパスを導入し北海道で最初に下肢静脈瘤の日帰り手術を可能にしました。
日帰り手術は20年前から行っており、年間400例以上延べ症例数は1万例を超えています。
現在ではレーザー治療によりさらに手術時間が片足15分程度短縮されたため、レーザー治療で一番の問題となるやけどの問題もすべて解消しています。
長年の経験をもとに、体に負担の少ない短時間の手術を安心して受けることができます。
看護師は、数千例の下肢静脈瘤手術を受けられた患者様のケアを通し、親身で適切な看護を提供しています。
術後はきめ細かい観察により、患者様に満足を得るべく職員一同日々努力しています。
下肢静脈瘤の治療は安心して当院へお任せください。
レーザー血管内焼灼術はやけどによる疼痛や炎症、硬化療法では、静脈炎を併発する事があり安易な治療は患者さんに後遺症を残すことがあるため、手術適応を厳格にしています。
北海道に数台しかないエアープレチスモグラム(APG)という検査で VFI(ベーナスフィリンインデックス:弁機能を表示している数字)が2.0以上の場合、手術を考慮します。
足の静脈は血液が足先から心臓へ、下から上へと上っていく血管です。
静脈の弁がうまく機能せず逆流するほど、静脈に血液が早く貯まります。
VFIは1秒間に静脈に貯まっていく血液の量を表し、グラフの角度が急であるほど逆流が強いことを表します。
図の左側にのっている上向きの波が血液の逆流を表しています。
図の右側が実際に見ている血管の輪切りの画像です。
逆流は基本的に赤い色で表示されます。
64列の高性能下肢静脈瘤CTで撮影した大伏在静脈
あるいは小伏在静脈が4mm以上の場合、手術を考慮します。
1・2・3のいずれかがあった時に、手術適応があると診断し、手術を考慮します。
当院では 99%以上の手術をレーザーで治療を行っています。
当院では、20年前から手術を行う経験豊富な西部正泰医師、西部俊哉医師が担当します。
西部正泰医師
西部俊哉医師
この二人が中心となって下肢静脈瘤の診療・治療を行います。
理事長の西部正泰は、下肢静脈瘤については今までに硬化療法を除いて五千例以上の手術実績を持つ経験豊富な先生で、 現在も手術を精力的に行い、ご活躍しています。
西部俊哉先生は、日本の血管外科をリードする名医の三本指に入る権威ある先生です。
西部先生は日本で初めて「網目状静脈瘤」の光治療を行いました。
「くもの巣状静脈瘤」に対して西部俊哉先生が平成25年6月に倉敷で行われた日本静脈学会で発表した「Intense Pulsed Ligh(t IPL)によるクモの巣状静脈瘤の治療」については参加された先生方に多くの質問を受け評価を得ました。
当院では、このレーザー治療による手術を行っています。
血管内レーザー治療(片足) 約43,000円
日帰り、3割負担の自己負担額になります。
別途、麻酔料などがかかります。
レーザー治療は実施医が常勤する認定施設のみで受けることができます。
レーザー装置の販売許可の付帯事項として、独立行政法人医薬品医療機器総合機構から本治療法に十分知識を得た医療者に販売することが販売業者に義務付けられています。当院は血管内レーザー焼灼術実施・管理委員会により実施施設の認定を受けており、西部正泰医師は実施医の資格を持っております。
問診と下肢超音波検査や下肢静脈CTなどの結果によって、適切な治療方法をご説明いたします。レーザー治療をお申し込みされる方は、手術内容や手術日程の説明後、胸部レントゲン検査や心電図、採血検査などを行います。
手術当日は朝食を食べずに来院してください。(水やお茶などは飲んでもかまいません)。ご予約時間10分前には受付をお済ませください。手術前に下肢超音波検査で手術部位に印をつけて、手術の準備を行います。
は太ももを弾性包帯で圧迫し、その上から弾性ストッキングを着用します。麻酔から覚めたら歩行が可能です。その後、看護師より術後の注意点などを説明させてもらいお帰りいただきます。
退院後はランニングなどの運動は控えていただきますが、日常生活においては、基本的に制限はありません。ただし、退院当日の飲酒、シャワー、入浴は禁止です。