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内痔核とは

掲載日:2020.02.14

《痔核とは》
便秘や下痢、排便時にふんばったりすると、肛門近辺の静脈圧が上昇します。このような排便行為を繰り返えしていると、肛門内の静脈叢が瘤状になります。
肛門線より上にできたものを内痔核、外側にできたものを外痔核といいます。内痔核は腫れて外側に飛び出すと痛みが出現することがありますが、多くの場合は無症状だったり、排便時に鮮血を認めます。これは、いわゆる「切れ痔」ではなく瘤状になった内痔核の一部が破裂したものです。
また、外痔核とは排便時のふんばりなどで肛門の静脈叢に血栓を形成して強い痛みで発症します。特に、飲酒後の便通異常に合併することが多い印象です。
各種症状は自然に楽になることが多いのですが、痔核そのものは排便による静脈圧の上昇、うっ血、感染、加齢などにより治癒することはありません。
痔核が慢性化して内部の静脈瘤が器質化して、皮膚が伸びきった状態になったものを皮膚水と呼び、多くの患者さんが肛門にできものができたと訴えて受診します。しかし、これ自体はいわゆる時の残骸ですので心配には及びません。

《痔核の原因》
痔核の発生原因のほとんどは、便秘や下痢、排便時のふんばりです。        
女性は、妊娠分娩が原因となることがあります。
その他に、事務仕事や運転などによる長時間の座位も原因になります。
また、アルコールや香辛料などの過量摂取痔核の症状を悪化させます。

《痔核の分類》
内痔核は状態により、次の4段階に分類します。
1度:痔核が肛門の内側にとどまっているもの。
2度:痔核が肛門の外側に脱出するが、自然に還納するもの。
3度:痔核が肛門の外側に脱出し、自分で押し戻すと還納できるもの。
4度:痔核が肛門の外側に脱出したままの状態で、押し戻せなくなったもの。

手術適応があるのは2度以上の内痔核とされていますが、症状があって長期に渡る座薬や軟膏治療を行っている1度の内痔核患者さんはこれから紹介するALTA療法の適応になります。

《痔核の治療方法》
?座薬や軟膏などの外用薬                        
軽症の患者さん、あるいは肛門粘膜の腫れ(腫脹)が強い急性期の患者さんに対して座薬や軟膏が使用されます。対症療法ですので根治性はありません。また、後者の場合は後に根治手術が必要になります。ステロイドホルモンが含まれている軟膏や座薬を長期に渡って使用することはお勧めできません。私たちが良く処方する「強力ポステリザン」「プロクトセデイル」「ネリプロクト」などはステロイドホルモンが含有されています。

?痔核硬化療法(4段階注射法)
現在当院ではジオン注を用いたALTA療法を主に行っています。        ジオン注は硫酸アルミニウムカリウムが主成分で、注射することによって粘膜下に炎症を起こさせて、組織に線維化を促し、痔核の瘤を器質化させる薬剤です。 2度から3度の内痔核に適応、すなわち痔核患者のほとんどに適応があります。従来の痔核結紮切除術(?参照)と同等の効果がありますが、術後の痛みが少なく出血もほとんど無いため、日帰りで治療することが可能です。 私達は、痔核手術の羞恥心の軽減のため全身麻酔下に手術を行っています。術後約2、3時間でほぼ完全に覚醒し、翌日から仕事、運動、入浴など日常生活が可能になります。
                
?痔核結紮切除術                           
標準治療として確立された手術術式で最も広く行われています。術後経過観察のため、通常1週間程度の入院が必要なので、当院ではよほど重症ではない限り行っていません。その代わりとして、?の「ゴム輪結紮術」を「ALTA療法」に併術して治療を行っています。

?PPH法
痔核治療用の自動吻合器を用いて、弛んだ粘膜を約cm幅で環状に切除して血流遮断及び直腸粘膜のつり上げを行います。根治性が高く大変良い治療法ですが、習熟に時間がかかるためあまり普及していません。約20年前まだ「PPH法」が保険適応ではない頃先進医療を申請して北海道初めて認可されました。現在は保険が適応されています。痔核だけではなく、軽度の直腸脱や粘膜脱にも適応があります。

?ゴム輪結紮術
腫れた痔核を専用の結紮器で輪ゴムを使って血流遮断を行い壊死させる手術です。皮膚に近い痔核は術後潰瘍を形成することがありますが自然に治癒します。当院では、重度の痔核に「ALTA法」に「ゴム輪結紮術」を併術して肛門に傷をつけないように治療を行っています。
以上が、痔核の病態及び治療法です。                     

痔核でお悩みの方は上記の手術をご理解頂き受診を頂ければ幸いです



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